好きな作家についてつらつら書いていきます。自分の頭の整理のためにもね。

 

セザンヌおじさん

 

 

まずはポール・セザンヌ
セザンヌは言わずと知れたポスト印象派の画家。

印象派で一番好きな作家です。好きになるきっかけというかセザンヌさんが気になる人になりきっかけは私の美術人生の中で数多くありました。高校生一年生の秋、美術に触れだして自分が初めて描く油絵30号の作品参考のために、様々な作家の絵画作品が載っている本を読んだ時にセザンヌに出会いました。風景画のオレンジとグリーンとブルーの色使いになんだかズキュンときたわけです。

 

セザンヌ

 

「セザンヌの色使いを参考に絵を描こう!」と決めて描いた初めての大作は大変濁った絵になりました(笑)。まぁ実力というか、まぁ始めての油絵ってにごしがちですよね?(笑)セザンヌの大胆な筆使いというか、タッチにも大変惹かれてはいましたが、自分が描くのはまた違いますからね。(笑)かつ初の油絵具の使い方に苦戦した思い出しかないですが、どんな絵だったかはよく覚えてます。

そうして出会ったセザンヌ作品。
やはり自分の作品の参考にすると思い入れが強くなりますよね。

 

なんと、ここでは終わらないセザンヌと私の関係(どんな関係なのか)
その後、自分の好きな漫画・映画・小説にこのセザンヌに関するシーンが登場することによって、より好きが確信に変わっていきました(恋か?恋なのか??)

 

まず一つが、映画『blue』
魚喃キリコ原作/安藤尋監督/スチールが川内倫子

映画blueスチール写真

高校生の頃はまった漫画家の1人が「魚喃キリコ」でした。繊細な描写と、白の余白の雰囲気に、「おしゃれなもの」が気になりだした美術ガール的にはもう出会って5秒で好きになりました(大げさ)。そしてこの「魚喃キリコ」原作の映画『blue』の発表。見るっしょ、これ。はい、観ました。漫画の独特の雰囲気を上手く表現していて、原作とはまたちがう魅力のある映画。主人公/桐島(市川実日子)とその憧れの女の子・遠藤(小西真奈美)の百合な恋愛〜友情模様が爽やかに描かれてます。
話は戻ってセザンヌです。この桐島の憧れの遠藤ちゃんが音楽や芸術に詳しいんですが、遠藤ちゃんがセザンヌの静物画が好きで、その影響をうけた桐島ちゃんアイスを食べながらセザンヌの画集をじっくり時間をかけて観るシーンがあるんです(だったはず。曖昧)。

セザンヌ静物

遠藤ちゃんが桐島ちゃんにセザンヌの静物画の良さを語るシーンもあってね。このシーンがすごく良かった。それまで私はセザンヌの風景画が好きだったんですが、これを見た瞬間「静物画、やばい」ってなりました(影響されやすい)。そして高校二年生の時、50号の静物画を描きました(本当影響されやすい)。

(あーまたblueが見たくなってきた。huluで配信されてないかなー。。。ツタヤ行くべきか?この写真集を川内倫子さんが出してましたが、これも見たくなってきた。。。。んー今ではもう絶版かな。。。。あー急に欲しくなってキターーーー。はい、ネットで探します。)

 

映画blue川内倫子写真集
欲しい。。。。

 

 

影響されやすい自分としては、これでだいぶセザンヌの沼に落ちました。でもこれだけじゃない。

 

次が小説。
江國香織の『きらきらひかる』

話はアルコール依存症の笑子と、同性愛者の睦月の不思議な夫婦のほんわかストーリー(とわたしは思ってる)。笑子が家にセザンヌの自画像を飾っていて、お酒を飲みながら「セザンヌおじさん」と呼びかけて話すシーンがとても印象的で、「なんて親しみ込めた呼び方なんだ!?」と高校生の自分には新鮮で以来私も自画像を美術館でみるたびに「あ、セザンヌおじさんだ」と呼んでいます(また影響される)。これもまた描き方が本当好みで、「この登場人物もわたしが好きな作家が好きなんだ!」ととたんに親近感がわくのです。

ポールセザンヌ

 

 

 

 

風景画・静物画・自画像

とそれぞれに出会うエピソードがあって、ここまでいろんな場面で出会うことになった作家はセザンヌだけなんですよね。わたしにとって。だから今でも印象派の展覧会で出会うとテンションがあがります。なかなかセザンヌオンリーの展覧会には出会えていませんがね。