恵比寿にある写真美術館がリニューアルしてからの一回目となる展覧会。

 

杉本博司ーロスト・ヒューマンー

 

 

杉本さんの写真、及び展示空間がすっごい好きなので、めちゃくちゃワクワクしながら行ってきました。
会場入ってびっくり。

そう、二部構成になっている本展覧会。
まずはインスタレーションからだったのです。

このインスタレーションの雰囲気が、まるで知覧特攻平和会館に近い。または原爆の資料館というか。。。
とにかく”戦争”を連想させる雰囲気。

「今日世界は死んだ。昨日かもしれない。」

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この言葉キーワードに、杉本博司自身がいろんな職業の人になったつもりで世界が終わるという設定のもとで、終わりの言葉とその遺品を一緒に展示していました。「今日世界は死んだ。昨日かもしれない。」のフレーズがとてもいいですよね。杉本さんの本とか読んでても思うんですが、本全体は難解だったりするんですが、ワンフレーズ必ず頭に残る言葉が登場するのが好きです。

挨拶文で「僕はいま世界の終わりを考えることが楽しいし、だが若い人にはそこに打ち勝つ未来をつくってほしい」的なことを書いてありましたが、なんとも意地悪だなーって感じました(笑)でもきっと思うんですけど、杉本さんに限らず、アーティストはわりと「世界の終わり」とか暗いこと
考えること好きですよね。美術全般的にそうなのか、公募展とかでも選ばれる作品で「暗い!!!」って感じる作品多いし。あ、すみません、、、話が横に逸れました。そういうわたしも暗いの好きですけどね(笑)
今回は画集も購入して正解でした。展覧会だけではわからなかった細部まで、、、というのも展覧会のみであの文章量を把握することが難しかったので(わたし、頭お弱い。。)

そしてやっぱり廃墟劇場シリーズは圧巻。
魅せ方がほんとかっこいい!!!光の演出というか、、、やっぱり好きだなーって感動しました。
ここで引用されていた文章もとても良かったですね。

あー東京にいるんだったらもう一回くらいは観に行ったんだけどなー。

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そして最後に、
杉本さんの画集読んでて、自分でも「今日世界は死んだ。昨日かもしれない。」ごっこをしたくなったので、書き下ろしておきます。この遊びすごい楽しいよ(笑)

 

もし私自身が「今日世界は死んだ。昨日かもしれない。」を書くとしたら?っていう遊び。

 

 

 

「今日世界は死んだ。昨日かもしれない。私はその日が来るとずっと前から聞いていたけれど、全く信じられなかった。そんな話はよく漫画やアニメで登場していたから、これもその延長線上だと考えていた。もとより嘘だらけだなって感じるニュースがより嘘中心になったんだなって。皆そう思ってた。旦那も、会社の人も、友達も、家族も、Twitterのフォロワーも。でも違った。嘘が現実になった。メディアは暗いニュース一色になる一報で、新興宗教の看板も多く見かけるようになったし、天国がテーマの雑誌が増えて行った。(ananがいち早く「叶える私の天国」特集した時は、やっぱさすがだなーananってなったよね。)今でもまるで自分がファンタジーの世界に入ったかのよう。世界の終わりが近づいて皆絶望的な顔になっていくんだろうなって思ってたけど、驚くことにその逆だったことに驚いた。皆案外穏やか。どうしようもないってなると案外冷静になるのかもね。それでも絶望と幸福が繰り返しやってくる。いまはね、皆で”世界を守るHERO”を描きあったり、HEROになりきったつぶやきをするのが流行り。『#俺のHERO』ってハッシュタグでね。世界が終わるかもしれないけど、それでも救ってくれる”なにか”を想像するのは自由だからね。昨日は銀河の力を再構成できるHEROを考えたの。今日はどうしようかな?」