宮西真冬さんの『首の鎖』の装画を担当しました。
講談社文庫から6月15日発売です。
デザインは坂野公一(welle design)さんです。

今回のために、絵を描き下ろししました。

「人生のすべてを祖母と母の介護に捧げてきた勝村瞳子は、四十歳目前にして未来が見えない。妻の執拗なDVに悩む丹羽顕は、母に認知症の疑いがあることを知り、愕然となる。心療内科で出会った2人は次第に心を通わせていく。だが・・・・・・。「――妻を、殺してしまいました」「・・・・・・すぐに行くから、待っていてください」 自首しようとする顕を止め、遺体を隠そうと言い出す瞳子。果たして殺人の隠蔽は成功するのか?
交錯する思惑と嘘。エスカレートする母と娘の愛憎。予想外の結末が待ち受けるノンストップ・サスペンス!」

というお話。

タイトル通り、家族の「鎖」に縛られた二人が登場します。
この表紙は瞳子が自分でこの鎖を破壊して、鎖から解き放たれた瞬間を描いています。読みながら、どのシーンだろうかと読み進めていったり、読み終わった後に「あぁ、あのシーンかな?」と考察していただけると楽しめると思います。

帯ありはこちら。

 

とてもかっこいいですよね。書籍のお仕事をさせていただいてから、この見本をいただいた瞬間に毎回「デザインってすごい」って興奮します。

主人公の瞳子がとてもヘビーな環境なので、本当読みながらオロオロします。
読んでいる途中はオロオロするんですが、読み終わった後に、お話を思い返すと、瞳子が作中でどんどん「何か」が開花していってたんだと気づくんですよね。「己」を掴みに行っている。自分を取り戻しに行ってる。変化していく。そう考えると、映画にしてその絶妙に変化していく様を女優さんに演じてほしいなぁーと勝手に妄想したりもしました。

 

 

原画はこちら。

こちらは9月にmasataka-contemporary(東京)で開催する2人展で実物を展示予定です。

「首の鎖」 amazonはこちら

 

宮西真冬さん、坂野公一さん、担当者さん、
ありがとうございました。