オンライン展覧会開催中の「VIVID」に出展している作品について解説2日目です。
今回は制服姿の女の子たちを描いた2作品について紹介します。

 


タイトル|わたしの卒業式
制作年|2020年
サイズ|227×158mm
キャンバス・アクリル絵の具

 


卒業式がないらしい。
そんな予感はしていた。
「どうしても卒業式に参加したかったのか」
と言われると、そこまで意識したことなかった。
当たり前にやるものだ、とぐらいにしか思わないじゃない。
悲しいような、悔しいような、別にいいような、
行き場のない感情が生まれた。
この感情の処理の仕方を、覚えないといけないのかもな。


自分ならどう思うか、とにかく難しい。
学校に対して思い入れのあり方は人それぞれだし、正解はない。
この行き場のなさを絵に残そうと思った。

 

 


タイトル|入学式の作り方
制作年|2020年
サイズ|227×158mm
キャンバス・アクリル絵の具


漫画で高校の入学式で恋に落ちるシーンを山ほど見てきた。
桜の木下で恋に落ちる瞬間に夢を見ていた。
お姉ちゃんに聞くと「そんなこと実際あるはずないじゃんwww」と笑われた。
でも、憧れを持って何が悪い。妄想して何が悪い。
けれどそもそも入学式が開かれなかった。
笑っちゃう。
やっぱり漫画の中の話だったのか。
フィクションだったのか。
入学式が9月になんて話も出てきた。
私の憧れのシュチュエーションは二度となくなるかもしれないの?
悔しいから、新しい制服着て、
お家の前の公園の桜の木下に立ってみる。
私なりの入学式を想像してみる。
もしかしたら、誰かがその瞬間に現れるかもしれない。
期待に胸を高鳴らせる。
そして企みを捨てずに生きて行くことを決心する。
今はその時でなくとも、いつか来るかもしれない、その時を。


この話は完全に自分の気持ちが入っています。はい。少女漫画で育った私は、少女漫画のシュチュエーションにとてつもなく憧れを昔から持っています。きっと今年入学式がないとなった私は、こういうことを考えるでしょう。「そんなことあるわけないじゃん」を捨てきれない憧れは大事だと思います。そんな願いを込めて1枚描きました。

 

 
 

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【オンライン展覧会】VIVIDについて その3に続く。